「囚人リク」は打ち切りだった?最終回があまりにも駆け足だった理由を考察!

週刊少年チャンピオンで連載されていた瀬口忍先生の人気漫画「囚人リク」
自分も大好きな作品で、連載当時からずっと読んでいた漫画なのですが、ネットで「囚人リク」について調べていると、ちょっと気になる言葉が出てきます。
「囚人リク 打ち切り」
え?「囚人リク」って打ち切りだったの?
全38巻も続いた長期連載作品なのに、打ち切り?
……いやいやいや、それはないだろ(笑)
と思う反面、最終盤を思い返してみると「そう言われれば、そう感じる人がいても不思議じゃないな」と思う部分もあるんですよね。
というのも「囚人リク」は、とにかく脱獄までが長い!!!
リクたちが極楽島特級刑務所から脱獄するために仲間を集め、計画を練り、何度も絶体絶命の危機に遭いながら進んでいく…!
レノマをはじめとする仲間たちとの出会いや別れ、刑務官との戦い、それぞれのキャラクターの過去なども非常に丁寧に描かれていました。

ところが脱獄後、物語はいよいよ宿敵・鬼道院永周との最終決戦へ向かっていくわけですが……
今度はここからが早いw!!!
あれだけ長かった刑務所での物語と比較すると、終盤はものすごい勢いで話が進んでいきます。
鬼道院との決着がついたと思ったら、物語は一気にエピローグへ…
「えええ!?もう終わるの!?」
当時読んでいて、そんな印象を受けた人もいたのではないでしょうか。
漫画では人気やアンケート結果などの事情から、予定していたストーリーを短縮して一気に最終回へ向かうことがあります。
そう考えると、この終盤の猛烈なスピード感から「もしかして囚人リクも打ち切りだったんじゃないの?」という疑問が出てくるのも分からなくはありません。
そこで改めて「囚人リク」は本当に打ち切りだったのか? 連載終了当時の情報や作品の終わり方、その後の展開などを調べてみました。
で、結論から言います。
「囚人リク」は打ち切りではありません!
……いや、秋田書店がわざわざ「囚人リクは打ち切りじゃありませんよ!」と公式発表しているわけではありませんよ(笑)
しかし、連載の経緯や作品の内容、その後の展開まで確認していくと、少なくとも「人気がなくなったため途中で連載を切られた」という意味での打ち切り作品として扱うのは無理があります。
「囚人リク」は2011年から2018年まで、約7年間にわたって週刊少年チャンピオンで連載されました。
単行本は全38巻。38巻って結構な巻数ですよ!
これだけでも「人気が出なくて途中で終了させられた漫画」というイメージとはずいぶん違います(笑)
もちろん長期連載でも、さまざまな事情で予定より早く終了する作品はあります。
では物語が途中で投げ出されたのかというと、これも違います。
リクたちは長い年月をかけて準備してきた極楽島特級刑務所からの脱獄を実行し、その後は物語最大の敵である鬼道院永周との戦いへ。
そして、リクと鬼道院の因縁にもきちんと決着がつきます。
さらに最終回では「悪を倒して終わり!」ではなく、戦いを終えた登場人物たちがその後どんな人生を歩んでいるのかまで描かれています。
リクだけではありません。
レノマをはじめ、長い物語を一緒に戦ってきた仲間たちの未来もしっかり描かれているんですよね。
物語の目的を達成して、ラスボスとの因縁を清算して、さらにキャラクターたちのその後まで描く。
……これ、普通に大団円じゃねーか!(笑)
「ボスレノマ~『囚人リク』外伝~」連載開始のワケとは…?

さらに「打ち切りではない」と考える大きな材料がもう一つあります。
「囚人リク」の連載終了から約半年後の2018年8月には、なんと同じ週刊少年チャンピオンで「ボスレノマ~『囚人リク』外伝~」の連載がスタートしています。
主人公はもちろんレノマ!「囚人リク」の人気キャラクター・レノマの過去を描いたスピンオフ作品です。
本編が終了したあと、同じ作者が同じ雑誌で、同じ作品の世界を使った新連載を始めているわけです。
人気がなくなって「はい終了!もうこの漫画は終わり!」となった作品なら、そのわずか半年後に同じ雑誌で外伝を連載するというのも、なんとも不自然な話です。
むしろ「囚人リク」という作品やキャラクターに、まだ十分な人気があったからこその展開と見る方が自然でしょう。
…となると、ひとつ疑問が残ります。
じゃあ、なんで終盤はあんなに駆け足だったの?ここなんですよ(^^;
終盤のスピード感には秘密があった…?
個人的には、これは打ち切りというより「囚人リクという物語が、すでにゴールへ到達していたから」ではないかと思っています。
そもそも「囚人リク」という漫画の最大の目的は何だったのか。
もちろん物語の背景には鬼道院との因縁がありますが、作品の大部分を占めていたのは「極楽島特級刑務所から脱獄する」という、とんでもなく困難なミッションでした。
仲間を集める。
脱獄ルートを探す。
必要な道具を用意する。
刑務官の目をかいくぐる。
計画がバレそうになる。
仲間が傷つく。
計画が崩れる。
それでも立ち上がる。
もう何回「もうだめだあぁぁぁ!」と思わされたことか(笑)
しかも「やった!今度こそいける!」と思ったら、またとんでもない問題が起きる…

ふざけんなよーーーー!いつになったら脱獄できるんだよ!(笑)
でも、それこそが「囚人リク」の面白さでした。
だからこそ実際に脱獄を成し遂げた時点で、この漫画の最大の山場はひとつ終わっているんですよね。
その後に残されている最大の目的は、リクの人生を狂わせた鬼道院との決着です。
そこまで終われば、物語として残された大きな宿題はほとんどありません。
ここからさらに新しい敵を登場させて何巻も続けることもできたかもしれません。
でも、それをやったら今度は「囚人リク」という物語そのものが間延びしてしまった可能性もあります。
刑務所から脱獄したのに、いつまでも「囚人リク」を続けるのも変な話ですし(笑)
だから脱獄後は物語の風呂敷を一気に畳み、鬼道院との決着まで走り切った。
そして最後に、長い間読者が見守ってきたキャラクターたちの未来を描いて終わる。
こう考えると、終盤のスピード感にも納得できるんですよね。
確かに駆け足です。「ここはもう少し読みたかったな」と思うところもあります。
特に38巻という長い時間をリクたちと一緒に過ごしてきた読者からすると、最後くらいもう少しゆっくり見せてくれよ!という気持ちになるのも当然でしょう。
でも「もっと読みたかった」と感じることと、「打ち切りだった」ということは全く別の話です。
終わってみれば非の打ちどころのないハッピーエンドでもあり、まだ続く物語の序章でもあった
むしろ「囚人リク」は、長期連載漫画としてはかなり綺麗に終わった作品だと思います。
物語の目的を達成し、最大の敵との決着をつけ、主要キャラクターたちの未来まで描く。
そして本編終了後には「ボスレノマ」という外伝まで制作された。
改めて調べてみると「打ち切り漫画」というより、しっかりと物語を完結させた作品だったことが分かります。
それでも「囚人リク 打ち切り」と検索されているのは、おそらく終盤の展開がそれまでと比較してかなり速かったことと、それだけ読者が「まだまだ読みたかった」と感じていたことの裏返しなのではないでしょうか。
自分も同じです。リクやレノマたちの物語を、もっと見ていたかった。
だから終わったときに「えっ!?もう終わり!?」と感じる。
でも、惜しまれながら終わるくらいが漫画としては一番幸せなのかもしれません。
ズルズルと続けた結果、「あの漫画、どこまで読んだっけ?」となるより、ずっといい(笑)
「囚人リク」は打ち切りではありません。約7年間、全38巻。
極楽島特級刑務所からの脱獄という壮大な物語を最後まで描き切り、リクと鬼道院の因縁にも決着をつけ、仲間たちの未来まで見せてくれた。堂々の大団円です!
そして、あの最終回とエピローグを改めて読み返してみると……やっぱり良いんですよ。
長い間あれだけ苦しんできた連中が、普通に暮らしている。
ただそれだけのことが、ものすごく嬉しい。
「囚人リク」の最終回でリクやレノマたちがどうなったのか、それぞれのエピローグについては別の記事で詳しくまとめています。
久しぶりに「囚人リク」を思い出した方は、ぜひそちらも読んでみてください。では✋
